技術士第二次試験の受験

秋分の日である9月22日(火)に技術士第二次試験が行われました。例年ですと、7月中旬に試験が行われますが、今年は新型コロナウイルスの影響のため、約二ヶ月遅れで開催されました。

試験会場のポートメッセなごや

技術士とは?

技術士とは、日本のエンジニア資格の最高峰の国家資格に位置付けられており、医師、弁護士、弁理士、公認会計士と並んで五大国家資格の一つと言われています。その割には、知名度が低く、私の周りで知っている人は1~2名程度でした。かくいう私も技術士という国家資格を知ったのは5年前くらい前で、本を読んで知りました。その本には、技術士を取得すると技術コンサルタントの仕事に有利と書いてあり、技術士に挑戦することにしました。
技術士には、機械、電気電子、化学、建設、環境、農業、衛生工学、情報工学…などの20の部門に分かれており、私は電気電子部門で受験しました。
技術士になるためには、一般的には第一次試験と第二次試験に合格しなければいけません。第一次試験はマークシート方式で、適正科目、基礎科目、専門科目と三種類あり、それぞれ50%以上の正解で合格となります。詳細は割愛しますが、私は2018年に受験して一発合格しております。
第二次試験は、受験資格があり、第一次試験を合格して、且つ7年以上の実務経験があると受験できます。第二次試験は筆記試験と口頭試験があり、筆記試験を合格すると、口頭試験を受験できます。

第二次試験が難関

この第二次試験が非常に難関で、2018年までマークシートと筆記試験のみでしたが、昨年からは筆記試験のみとなりました。その筆記試験は、必須科目と選択科目に分かれており、600字詰め原稿用紙で、必須科目は3枚、選択科目は6枚(選択科目Ⅱ3枚、選択科目Ⅲ3枚)提出しなければいけません。
試験時間が必須科目が2時間、選択科目が3時間30分なので、問題を解読したり、最後にチェックする時間を加味すると、原稿用紙1枚を30分以内で作成しなければならないという、とても大変な試験なのです。そのため、筆記試験の合格率が平均して15%以下という狭き門となっています。
ちなみに、昨年受験した私の試験結果は、必須科目はA評価をいただきましたが、選択科目がB評価で撃沈…(A評価は60点以上です)。ということで、今年の第二次試験をリベンジしたわけです。

令和2年度技術士第二次試験 電気電子部門
試験会場の入口

今年の技術士第二次試験は異例づくし

今年は、試験開催日以外にも例年と比べて異なる点が多々ありました。
まずは、試験時間。例年であれば、10時~16時半で、12時~13時は昼食休憩でしたが、今年は会場で昼食が取れないこともあり、12時~18時に実施されました。必須科目と選択科目の間に休憩が30分だけ設けられました。
私は試験を名古屋会場で受験したため、試験会場はポートメッセなごやでした。例年は名古屋大学で開催されていたことを考えると、コロナ対策と思われます。
さらに、受験票には体温を記載する欄があり、入場時には検温が実施されていました。そして、試験中はずっとマスク着用を指示されました(途中マスクを外していたら、試験官に注意されました)。この試験中のマスク着用が非常に辛い…。マスクの中が蒸れてきて、タオルで時々口の周りを拭いたいのですが、タオルを机の上に置くことを禁じられており、タオルをカバンの中から取り出さなければいけないという、とても面倒くさいのです(試験時間のロス…)。

入場時には検温を実施

試験会場は圧巻!

試験会場は、ポートメッセなごやの第三展示場で開催されました。試験会場は展示会で使用される広いスペースであるため、各部門毎にパーティションで区切られていると思いきや、ただ長机とパイプ椅子が会場に置かれていました。その光景は非常に圧巻!(写真撮影が禁止されていたため、写真をお見せできないのが残念…)。一つの長机を2名が使用し、長机10個×5列(100人)で一つのグループを形成していました。そのグループが22個あり、2000人以上の席は用意されていましたが、実際には2~3割程度は空席だったため、名古屋地区の受験者数は1500人程度だったと思います。

試験問題が非常に難解…

私は電気電子部門で受験しましたが、必須項目は、「農業分野のサプライチェーンマネジメント」と「地球温暖化への幅広い予防的アプローチ」と非常に難解な問題でした。この問題のいずれか1つを選択して解答すれば良いのですが、課題、解決策、リスク、リスクの対策…と論文を書いていくわけです。これを限られた時間の中で、問題を解き、原稿用紙に記述するわけです。それで、必須科目の30分後には選択科目の試験が始まり、6枚の原稿用紙に論文を作成するという非常に厳しい試験です。
試験が終わった18時過ぎに試験会場を出ると外は真っ暗で、最寄りの駅に向かう足取りは重く、でも試験から解放された安堵感もあり、なんとも形容しがたい気持ちで家路に着きました。
ということで、来年4月頃に「技術士合格!」という投稿がなければ、今年の受験は失敗したと思ってください。