アナログ回路講座⑩ 3端子レギュレータの使用上の注意点

ドロップアウト電圧

3端子レギュレータで必要な入出力間の電位差をドロップアウト電圧といいます。このドロップアウト電圧は、データシートに規定されています。ちなみに、LM7800のデータシートにはドロップアウト電圧は2Vと表記されています。つまり、入出力間の電位差は2V以上必要ということになります。
例えば、入力電圧12Vの場合、出力電圧は10V以下で使用する必要があります。この場合、ドロップアウト電圧を遵守せずに入出力間の電位差が狭い場合、入力電圧にリップルが発生していると、出力電圧にリップルが重畳することがあります。

逆電圧保護用ダイオード

図1 バイポーラトランジスタタイプ(図中左)とMOSFETタイプ(図中右)の3端子レギュレータ

3端子レギュレータの入出力間に接続されているトランジスタは、図1のようにバイポーラトランジスタとMOSFETの場合があります。
バイポーラトランジスタの場合で注意すべき点は、入力側の電圧が急に低下した場合、出力コンデンサに蓄えられた電圧が、直接バイポーラトランジスタに印加されて故障する懸念があります。この対策として、保護ダイオードを出力端子と入力端子間に実装し、出力端子から入力端子へコンデンサの電荷を逃がすパスを用意します。
MOSFET(P-ch)の場合、この出力端子と入力端子間に寄生ダイオードが発生します。つまり、バイポーラトランジスタのように保護ダイオードを用意しなくても、出力端子から入力端子へコンデンサの電荷が逃げるパスが発生します。 基本的には、バイポーラトランジスタで構成された3端子レギュレータには保護ダイオードが必要になります。設計時にはデータシートの指示に従い、必要に応じて保護ダイオードを入出力間に接続します。

入力・出力コンデンサ

図2 3端子レギュレータの入力・出力コンデンサ

3端子レギュレータには図2のように入力コンデンサ(CIN)と出力コンデンサ(COUT)を接続しなければいけません。
入力コンデンサの目的は、電源オン時に出力コンデンサに流れる突入電流が発生するため、入力電圧の低下を抑制します。また、電源ラインに発生するリップルノイズを吸収します。
出力コンデンサの目的は、急峻な負荷変動が発生したときに、3端子レギュレータで補えない電流を出力コンデンサから供給します。また、発振防止の効果があります。3端子レギュレータは、内蔵しているオペアンプに出力電圧をフィードバックしています。例えば、急峻な負荷変動が発生したときに、出力電圧が変動することがあります。この変動した電圧の周波数が高い場合、3端子レギュレータのオペアンプにフィードバックされると、位相余裕がなくなって発振してしまいます。そのため、出力コンデンサの容量とコンデンサの等価直列抵抗ESRでこの電圧変動を抑制します。
この入力、出力コンデンサの注意点として、入力、出力コンデンサは入力、出力端子近くに配置することです。また、ESRが小さい積層セラミックコンデンサを出力コンデンサとして使用すると、出力電圧変動が抑制できないため、発振する可能性があります。

アナログ回路の動作や特性を習得されたい方は、以下の技術セミナーがお勧めです。

デルタテックラボラトリ オンラインセミナー