独立開業シリーズ① 屋号付き銀行口座の開設方法
開業してから一ヶ月が経過しましたが、これから独立開業される方に少しでもお役に立つ情報を提供できればと思い、「独立開業シリーズ」と題したブログを立ち上げてみました。第一回目は「屋号付き銀行口座の開設方法」です。
個人事業主に最適な銀行は?
独立開業した際に、個人事業主のみなさんは屋号付き銀行口座を検討されると思います。私自身も屋号付き銀行口座を開設したいと思い、オフィス近くの複数の銀行へ確認しに行きました。利便性を考えて大手銀行か地方銀行で口座を開設したい…と考えていました。このブログはレンタルオフィスで書いていますが、レンタルオフィスのオーナーから「ネット銀行の口座からは使用料の引き落としができない」と言われていたことがあったからです。
しかしながら、銀行の担当者からは、開業したばかりの個人事業主には厳しい言葉が返ってきました。
A銀行:「個人事業主様の屋号で銀行口座の開設はできますが、売上などの事業を確認できる資料をご提示いただく必要がございます」
B銀行:「屋号付き銀行口座の開設は可能です。ただし、ネットバンキングをご利用の場合、毎月3,000円の手数料が必要になります」
開業仕立ての個人事業主には売上はありませんし、ネットバンキングのために毎月手数料を取られるのは辛いと思い、大手銀行や地方銀行での口座開設はこの時点で断念しました。
色々と検討した結果、私が口座開設した銀行は、ネット銀行の「ジャパンネット銀行」と屋号だけの口座が開設できる「ゆうちょ銀行」にしました。一番大きな理由は、「無料でネットバンキングができる」という点です。ある個人事業主さんは地方銀行にビジネス用口座を開設しており、ネットバンキングが使用できないため(手数料が掛かる法人口座にすればネットバンキングを使用できるらしい…)、お客様からの振込を確認したいときは、自宅近くの銀行まで記帳しに行っているとのことです。その話を聞いて、すぐに振込が確認できるネットバンキングは必須だと痛感していました。
ジャパンネット銀行の場合
ジャパンネット銀行の屋号付き銀行口座名は、「屋号+個人名」になります。そのため、当設計事務所の場合、「デルタテックラボラトリ タカセヒロシ」が正式な口座名になります。
ジャパンネット銀行の口座開設の手続きは非常に簡単です。ネットから申込フォームに必要事項を記入すると、申込書や確認書類が送られてきます。申込書には必要事項が印字されているので署名、捺印するだけ。開業届の写しは必要なく、住民票などの本人確認資料を同梱して送付すると、一週間程度でキャッシュカードとトークンが送られてきます。
ゆうちょ銀行の場合
ゆうちょ銀行では、屋号だけの銀行口座が開設できます。しかしながら、お客様から振り込まれた現金を引き出すためには、以下の方法しかありません。
- 指定した郵便局の窓口で依頼
- ネットバンキングで他の口座へ振替
つまり、キャッシュカードや預金通帳がなく、ATMから現金を引き出せません。その点だけは、少し利便性が良くないかもしれません。
この口座開設の詳細を確認するために、市内で一番大きい郵便局へ行きました。その窓口の担当者へその旨を伝えると、何故か総合口座の説明が始まる始末…。担当者も個人事業主向けの振替口座開設には馴染みがないのかもしれません。そこで、「振替口座」、「個人事業主」、「屋号だけの銀行口座」などキーワードを伝えると理解いただき(ここまでに時間が掛かりました…)、申込方法について説明していただきました。
申込書はどの郵便局に提出しても良い訳ではなく、現金を引き出すときに利用する郵便局に提出してほしいとのこと。つまり、先にも説明しましたが、指定した郵便局でしか現金を引き出すことができないのです。
後日、申込書に必要事項を記載し、オフィス近くの郵便局へ口座開設の申請のために伺いました。そのときに持参したものは以下の通りです。
- 印鑑(訂正印として使用)
- 振替口座加入申込書
- ゆうちょダイレクト利用申込書(ネットバンキングも同時に申請します)
- 開業届の写し
- チラシ(プロフィールシートを持参)
- 本人確認資料(運転免許書など)
チラシは、屋号名で活動していることが分かる資料として提出を求められました。顧客との面談の際に使用するために作成したプロフィールシートが、この口座開設に役立ちました。もし、チラシがない場合はホームページ(トップページ)のコピーや名刺でも代用できるかもしれません(詳しくは郵便局へご確認ください)。その申請を行ってから一週間後くらいに郵便局から電話で連絡があり、さらにその一週間後くらいに「振替口座開設のお知らせ」が届いたと思います。
私は、ジャパンネット銀行とゆうちょ銀行で屋号付き銀行口座を開設しました。みなさんがお住まいの大手銀行や地方銀行では、私が知らない使い勝手の良い屋号付き銀行口座があるかもしれませんので、一度ご確認いただくとよろしいかもしれません。