バッテリマネジメント講座⑦ バッテリパックの筐体

バッテリパックの部品配置例

図1 バッテリパックの部品配置例

図1にバッテリパックの部品配置例を図示しています。搭載されている部品は、バッテリモジュール、BMS基板、コンタクタ、電流センサ、ヒューズです。
バッテリモジュールは、3台のバッテリを直列に接続しています。バッテリの各端子はバスバーで接続しています。バッテリモジュールから端子台を介して高圧ケーブルで引き出しています。電流センサはホール素子タイプで、バスバーを挿し込んで設置しています。プラス側とマイナス側にコンタクタを設置し、バッテリパックの入口付近にヒューズを設置しています。BMS基板は鉄製のケースの中に格納し、ケースを垂直にしてバッテリモジュールの横に設置しています。
BMS基板からはバッテリモジュールやバッテリパックの外側へ電源線や通信線のハーネスを出力します。高圧ケーブルやBMS基板からのハーネス線は、グロメットを通して筐体の外側へ出力します。
バッテリパックのケースには、鉄やアルミ合金、FRP(繊維強化プラスチック)、カーボンファイバーなどが使用されます。ちなみに、日産リーフのバッテリパックには軽量で強度が強いハイテン材が使用されています。 バッテリモジュールとバッテリパックの筐体の間は隙間を空けることにより、バッテリモジュールとの沿面距離を確保します。また、この隙間が衝突時にバッテリのダメージを避けるクラッシャブルゾーンになります。

バッテリの冷却方法

バッテリモジュールの温度上昇に伴い、バッテリパック内の温度が上昇することが想定されます。理想は、走行風などで自然冷却できるのが一番です。ただし、自然冷却が難しい場合は、ここに記されている3つの冷却方法を提案します。

  • DCファンによる冷却
    DCファンをバッテリパック内に設置し、パック内の空気を循環させます。もしくは、DCファンをバッテリパックの筐体側面に取り付け、パック内の熱気を外へ放出します。この場合、雨水に曝される懸念があるときは、防水対策が必要になります。
  • ラジエータによる冷却
    冷却されたラジエータ液をパック内に循環させます。この場合、ラジエータ液を循環させるためにウォーターポンプが必要になります。
  • バッテリ出力制限による冷却
    バッテリ温度上昇時にバッテリの出力電流を低下させることでバッテリ温度を低下させます。ただし、バッテリパック搭載先の製品の機能に影響を与えてしまいます。

筐体設計の注意事項

  • 防水
    バッテリパックで浸水する箇所は、筐体と蓋の隙間が考えられます。バッテリパックで防水が必要な場合は、バッテリパックの筐体と蓋の間にブチルテープや独立発泡ゴムを挟み込み、多くのボルトで締めて固定します。また、浸水したときのために、水抜き穴をバッテリパック底面に用意します。水抜き穴からの浸水の懸念があるときは、1WAYバルブを使用します。
  • 排気ダスト
    異常時に高温の可燃性ガスを排出する排出口が用意されているバッテリモジュールが存在します。そのときは、データシートの指示に従い、排気ダストを用意します。

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