ノイズ対策講座⑤ プリント配線板によるノイズ対策①

前回までは電子部品によるノイズ対策方法を説明しました。今回はプリント配線板によるノイズ対策方法を説明します。

プリント配線板の層構成

図1 4層基板の層構成

図1は、4層基板のプリント配線板の層構成です。基本的には表層であるL1、L4に信号ラインを配線し、内層であるL2、L3にグラウンドのベタパターンを配置します。
内層にグラウンドパターンを配置するメリットは、この表層の信号ラインと内層のグラウンドパターンが寄生容量で結合することにより、信号ラインとグラウンドパターン間のリターンパスを形成しやすいことです。専門書の中には、電源パターンを内層に配置することを推奨している場合があります。しかしながら、グラウンドパターンは電源パターンに比べてノイズの低減効果が大きいといわれています。そのため、電源ラインは信号ラインと同じく、表層で配線することを推奨します。電源ラインはインピーダンスを高くし、電源端子の手前でバイパスコンデンサによってインピーダンスを低くします。

マイクロストリップラインとストリップライン

図2 マイクロストリップライン(左側)とストリップライン(右側)(※1)

このプリント配線板の信号ラインとグラウンドパターンの配置方法は、図2のようにマイクロストリップラインとストリップラインの二種類あります。マイクロストリップラインは、図1の層構成と同じく表層に信号ライン、内層にグラウンドパターンを配置した構成です。ストリップラインは内層に信号ラインを配線し、その上下にグラウンドパターンを配置して挟み込む構成です。ただし、このストリップラインは、8層以上の多層基板でなければ構成できません。
図2にマイクロストリップラインとストリップラインの特性インピーダンスZoの算出式が記載されています。この算出式に配線ラインの配線幅wや配線の厚みt、絶縁層の厚みhを代入することにより、配線の特性インピーダンスZoを算出することができます。ただし、この算出式が重要ではなく、配線ラインの配線幅wと配線の厚みtが一定で、配線ラインの直下に絶縁層を介してグラウンドパターンが配置されていれば、特性インピーダンスを一定にすることができることが重要ポイントです。そのため、このグラウンドパターンの途中にスリット(切れ目)がある場合、スリットの部分で特性インピーダンスが変わってしまい、反射やリンギングが発生してしまいます。言い換えれば、配線ラインの特性インピーダンスを一定にすることが、ノイズを低減する対策になります。

【参考文献】(※1)トランジスタ技術 はじめてのプリント基板設計 179ページ CQ 出版社(2003年6月)

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